先輩・後輩 対談
導く先輩 × 追いかける後輩
建設現場では複数の役職や業種の人が一つのチームになって一つの建物をつくり上げています。
重要なのはチームワーク。入社から共に競い合っている二人に話しを聞きました。
川原健(かわはら・たけし)
2004年入社
原口雅好(はらぐち・まさよし)
2008年入社
正直に言って良いですか。
え?
入社3年目で川原さんと一緒の現場に入ったときから「この人には負けたくない!」と思ってたんです。その気持ちは今でも変わりません。
そうなんだ(笑)。
何を聞いてもすぐに答えが返ってくるし、段取りも完璧で「デキる人」って印象がすごく強くて。
いや、褒めすぎじゃない?
建築に関する専門知識も広いし、図面を見る能力も持っているし、それを分かりやすく業者さんに伝える術も極めているし。頑張ってもなかなか追いつけないんです。
原口くんはせっかちだよね(笑)。それも良いところなんだけど。怖い物知らずというか、自分が「これだ!」と思ったことは業者さんにも職人さんにもキッパリ伝えるからそばで見ていてヒヤヒヤすることもあったよ。いったい、今まで何回フォローしたことか。
すみません・・・・・・。川原さんが職人さんたちに「あいつ、突っ走るところがあって。ごめんなさい」と言って謝ってくださっていたのを後になって知りました。
若いときは正しいと思っていてもなかなか自分の意見をそれほど言えないからね。そうやって自分を貫くところが原口くんの良いところなんだよね。
初めて一緒に現場に入ったときのことは覚えていますか?
プールに浸かっていたよね(笑)。
そうです。まるでプールみたいになってましたね(笑)。大学の体育館の基礎工事をしているときに大雨で水が溜まってしまって、その水を抜く作業に応援に行ったんです。
そうそう。腰まで浸かって作業をしていたけど、段差につまずいて結局、首くらいまでずぶ濡れになってたね。
今となっては良い思い出です!
その後、一緒になったのは6年後、5階建てのオフィスビルを担当したときでした。
鉄骨とパネル、ガラスを使った外壁が独特のデザインでねぇ、収まりを考えるのが難しかったよね。
図面を見ながらそれをどうやって頭の中で立体的に組立てていくのかが難しかったですね。
原口くんは分からないことはとことん聞くよね。分からないことは分かるまで聞くし、「ここが分かりません」というだけじゃなくて「こういう考え方ではどうですか」と自分の意見を踏まえて聞くから偉いよね。
いえ、まだまだです。入社して日が浅い時期はとにかくがむしゃらで。客観的に自分を見たり、先輩の良いところを真似したりできるようになったのは30歳(10年目)でした。
ああ、ちょうど一緒に老人ホームの新築工事を担当してた頃だね。
ええ。川原さんが所長で私は次席として工程管理と図面管理を任せていただきました。「やっと認めてもらえた」って思って嬉しかったんです。
あのときは僕が予算と品質を管理して、原口くんに工程を見てもらっていたからうまく役割分担ができてスムーズに進んだ現場だったね。
ときどき、抜けている部分もあって川原さんにはご迷惑をかけましたが。
大丈夫、それが僕の仕事だから。
川原さんはどうしてそんなに知識も経験もあって、現場を動かすのが上手なんですか?
うーん。僕もそれなりに努力してるんだけど(笑)。原口くんは会社から期待の目で見られているしね。そんな人財を預かって育てるっていうのはプレッシャーでもある。分かるまでとことん質問されるから、こっちが適当な返事をするわけにもいかないから勉強もするし。
そうして川原さんがどんどん先に行ってしまうから、なかなか追いつけません。
原口くんの次の目標は「人の話を聴くこと」だね。自分の考えを話すのが好きでしょう?(笑)相手の意見を聞いて、一歩引く。これができると交渉事がもっとうまくいくと思う。
精進します・・・・・・。
もともと優れた素質を持っているから、所長として部下を率いる現場のリーダーになってほしい。
分かりました。いつか絶対に川原さんを追い抜きますから!
追いつかれないように頑張るよ(笑)